相と思想について

2012年8月1日 水曜日

「相」というのは、有形なるものでなく無形の状態の顕現を言うのであります。

過去から現在までの結果を判断する分野であり、家相学・地相学・人相手相学・墓相学・印相学・姓名相学等すべて結果(その人の現在の状態)を判断する方法です。ですから「相」と言うのは一日や二日また一年や二年で顕現するものではなく最低五年以上の年数を必要とします。

例えば家相において凶相であるからといって改造し吉相にしても顕現するまでに最低五年以上年月が必要となります。それよりも今まで住居していた家の一部の改造をすることによって、かえって過去の不利な面が顕現すると言ったことが言えるかと思います。古い家屋ほどその改築・増築・新築等は改造が難しく吉相に造り変えて、返って過去の方災現象が顕現してしまうという例の多い事を見受けることが出来ます。

一般の家相の著書は家の出っ張りの吉凶とか各部所の吉凶のみを書いてありますが、相とは有形を判断基準にするのではなく無形から生じる「気」のはたらきを判断基準とするのであります

例え大吉相といわれる家でもその家に生活する人たちの「心」が凶心であればその吉相も凶相に変わるのであります。相に心をつければ想になり思想の想であります。

家に住居する人の「心」によって相も変わるのだと言うことです。つまり凶相であってもそれを最小限にくい止める努力によって予防することが出来得るのであり、家相が悪いからと言って改造する行為の方がもっと悪い結果を顕現してしまうことになるのです。

自然の流れ(因果律)によって、どうしても家を新しくする、また改造しなければ成らない場合は一定の過程を至って実行することが必要です。

例えば人相手相と言うものはその人の現在置かれている状態を示し表出しています。もし良いと言われれば問題はないが、悪いと言われたらそれを良くするにはどうしたら良いかという点を示してくれません。人間で欠点のない人間はまずいません。同じ正しい行為をしても受ける側で正反対の結果となる場合もあります。「相」において家相学・地相学・人相手相学上どうすれば良相になり又どういうことが吉相につながる行為かという点が示されていません。

金銭的にも財運に恵まれていて吉相に出来る人は数少ないと思います。凶相であってもそこで永年(十五年以上)生活して吉凶が現出していないならば絶対改造はすべきでないと考えます。勿論そこで誕生した子供たちには影響することはありますがこの場合は本命よりも月命作用が強く働きます。

東洋哲学の考え方に万物には「気」があり皆その「気」によって生成されていると考えられています。一つの器にも一つの道具にも、一つの家具にもみんな「気」が存在していると考えられています。人間がそれら一つ一つを大切に用いれば、皆がそれに答えてくれ同じ器でも人間の「心」の用い方や行為によって三年が五年・十年と答えてくれると考えるのです。

「相」というのもこれらのもののごとく吉相家相というのは人間の「心」によって作りだされるものであり形の張りや各部所の吉凶のみで判断するものではないのです。目に見えぬ無形の気を判断することが第一であります。この人間の「心」を作り出すのは過去から現在まで住居している家の相の結果であると言えます。家相が悪いからといって改造しても年月がかかると述べたのはこういった点からであります。

家相上すでに凶相現象が顕現してしまっている場合はそれに対する対策を根気よく講じていくことです。運命学の本義というのは占うことや予言することではなく、現状生活の中で与えられた命を最大限に発揮できるように指導する、また実践するところにあります。

しかしこの本義を指導し実践する為には、根気と探究心が必要であり年月も必要とします。その為、占いや予言のように当てもの的に運命学を利用してしまうことになるのです。一つの大きな不幸がありますと必ずと言ってよいくらい「私は予言しそれが当たった」と言う人がマスコミに登場します。そういう行為は運命学上何の功にもなりません。

例えば印相学ひとつ取り上げても象牙とか黒水牛の角に姓名を彫って吉印としています。ヒンズー教では水牛(午)を神の化身(使い)としている骨や牙や角は同一事象(五黄)として考えるべきであり、現在の印相学は自然界の理より脱したものとなっています。

墓相学においての石の吉凶も本来の姿から脱した形で流布してしまっています。各個々の分野を尊ぶあまり自然界の理法道というものから、それを無視して実践してもやがて歳月とともに忘れさられ過去の遺物とならぬように相を学び実践していく為には是非この点の誤りなきようにと思います。

人間は「無」の世界より生れ「無」の世界へ帰っていくのですから真の実と言うものを相の中から汲み取って頂きます様に思う次第です。

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