菊の節句

2018年9月1日 土曜日

九月の異名を菊月と言うくらい菊の節句が9月の最大の行事と言えます。9月9日は「重陽の節句」であります。

陽数の9が重なっている(9月9日)ので「重陽」と言います。陽数には1・3・5・7があり、それぞれ節句の日となっています。9は満ち極まっている数として、陽の極数と考え、天の数そして天子の数として9を神聖視したのであります。

古代中国では天を九つに分けて九天と言い、中国全土を九州と言い、また宮廷の飾りを九華、天子の宮殿の門を九門、天子の御所を九禁と言い表しています。

九が最高の徳を表す数として、最も丁重に客を迎える時の礼が九頓首であり九献でありました。これが後に日本の文化に同化して、九頓首は「三拝九拝」となり、九献は結婚式の「三三九度」の盃となったのです。

気学では自然界を9つに分けて、一白から九紫までの気質や状況や現象を分類しております。

平安時代には菊は「翁草」「千代見草」「齢草」等と言われ重陽の節句に観菊の酒宴が催されました。「菊酒」と言って酒に菊の花をひたして、飲むと長生き出来ると言われまた「菊のきせ綿」と言って、前の晩に菊にかぶせて露にしめらせた綿で身体を拭くと長寿を保つと言われました。

菊の節句には菊合わせと言って菊を鑑賞する行事が行われています。菊は香り高く気品があるので、邪気を祓い寿命を延ばすと伝えられ、日本では天武天皇14年(686年)に行われたのが始めと言います。

また栗飯を炊く習慣もあり「栗の節句」と言われていますが、「お九日(おくんち)」と言って収穫祭の一環としてお祭りする地方もあります。
お九日は9月9日を神の日、19日を百姓の日、29日を町人の日等と言って神酒に菊の花を添えて、餅をつき、栗飯を炊いて神に感謝する稲刈上げの祭りであります。お九日に茄子を食べると中風にかからないとも言います。

皇室の菊の御紋章は16葉八重表菊で、後鳥羽上皇(1198年天皇退位)が特に菊を好まれた縁により定められた。最高の勲等である大勲位菊花綬賞は明治10年に制定され、旭日と菊花を表しています。
東京浅草観音さまに於いては10月18日に菊供養まつりとして重陽の節句を行っています。

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