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少子化問題と地方再生

2015年8月11日 火曜日

お盆期間に入り故郷に帰省される方も多いと思います。改めて故郷の家族や風景や懐かしい事柄に触れて見るのも良いものです。

今、少子化が進んでいる状況の中で、出生率が上昇している県として有名なのが福井県であります。そこには地域性・親と子と孫の三世代の家族・嫁と姑の関係・食育と言う食べ物からの伝統文化があります。

その根底には日本独自の地域や家族や人間関係の基本でありました「手間替えの思想」があります。自分の出来る事また余裕の生じるところを、相手に尽力し手伝う事であり、逆に相手から尽くし手伝ってもらう事です。「相身互い」の思想であります。

手間替えは一見ボランティアと似ていますが基本的に異なります。ボランティアは余裕の生じる人が見返りを考えずに行う事でありますが、手間替えは双方が互いに協力し合う行動が、地域や家族の中で根付いている事です。

田植えや稲刈りの時にお互い地域で協力して行ったり、子育てを地域で育てる(最近は子供の事件が増えています)と言うこともあり、役割分担に於いて協力し合う思想があり、その基盤には「忠如」(相手の立場に立って思いやる心)と言う心があります。これらの思想は儒教の教えであります。

戦後、家族制度が崩壊し核家族となりました。政府が目先の少子化対策でお金や資金をばらまく政策よりもこの儒教の教えをもう一度再考し、三世代家族による手間替え思想を根付かせる政策を取り入れ行く方が永続性のあるものと思われます。

若い人の意欲を社会へ出し、年寄りの知恵を孫に伝承し、年寄りは孫より活力を得て健康と活力源とする福井県に学ぶ生きた教材は必須です。

昔は年金で老後が暮らせたものです。定年退職をして年金を貰い、孫たちに囲まれ老夫婦が仲良く過ごせたものです。
今は年金だけでは暮らせない時代となりました。家族はバラバラで病院費用は高く、場合によっては一人暮らしの寂しい老後です。

政府の地方を元気にすると言う政策は多くの人にとって異論のないものですが、具体的な施策については、内容が乏しいというのも事実です。中小企業の稼ぐ力の徹底強化、サービス産業の活性化・生産性の向上、農林水産業・医療・介護・観光産業の基幹産業化などが掲げられています。しかし現状は上手く行っていません。今後打ち出す政策がバラマキ政策だけにならないように本当の地方再生を願います。

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靖国参拝問題

2014年6月11日 水曜日

今年も早いもので半年が過ぎようとしています。6月30日は各地の神社に於いて「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行われ、暮れの大晦日の「大祓の儀(おおはらえのぎ)」と合せ、年2度の大祓への行事があります。

神道に於いて精霊(英霊)は不変なりと言い生き続ける霊魂があります。つまり魂は不変に生き続けると言う考え方があります。仏教に於いては輪廻転生と言う魂の生まれ変わりを説き、来世(彼岸)と言う世界との往来のある事を説いています。

日本では神道の考え方と仏教の考え方が混合して「お盆」と言う行事があります。7月15日は神道では「御霊まつり」とし、仏教では「お盆」と称します。
時の政権に敵対した「平将門公」や「菅原道真公」を神々として鎮魂することによってこの世に敵対することなく静かに見守り続けてほしいと言う思想があるのです。

日本の歴史の中でお互いに戦い合った武将でも、死後神さまになった人は多く存在します。近代でも日露戦争で多くの戦死者を出した乃木希典公(のぎまれすけ)も神様として乃木神社があり、また敵対したロシア兵の墓地も地元民で守られています。こうした思想は「忠恕(ちゅうじょ)」の心であり、相手の立場に立って物事を考えるまた思いやる心とは、儒教の精神であり儒教の根本理念です。

同じ儒教の影響下にあった中国・朝鮮(韓国)・日本に於いては同じ儒教を基にしながら、常に外敵に考える中国は心より「もの」中心の理念となり。朝鮮は李王国650年間(韓国では、「李氏朝鮮」「李朝」と言う名称は植民地史観に基づくものとされるため、国内 では一般的に使用されていない。通常、李氏朝鮮が統治していた国は「朝鮮」、李氏 朝鮮の王室は「朝鮮王朝」と呼ぶ)

韓国も中国から受け継いだ儒教を継承し続け、ほぼ民族が親類に近い状況(極端に姓が少なく同じ姓が多い・金さん・李さん・朴さん等)が生じて近代を迎えました。韓国の国旗は儒教を表します。

日本の神道にある「鎮魂」思想や精神と心、その文化・歴史・伝統と表裏して靖国問題の軍指導等の合祀があり、儒教思想の基から「もの」を中心と考える中国と朝鮮(韓国)と儒教思想の基から「こころ」を中心と考える日本との大きな隔たりを解消するには「忠如心」と言う儒教の根底に立つ事からの始まりです。

毎年、靖国神社参拝で中国・韓国から非難の声があがります。また外交問題にも発展して大変な問題となります。日本では自由が謳歌し過ぎる感があり、考え方も千差万別な社会となっております。中国は一党支配の共産国家です。韓国は戦後の日本憲法つまり平和憲法を教えずに大日本帝国憲法のまま日本の戦後があると教えております。そうしたお互いの不認識を自覚し解消しない限り真の友好の交流は不可能です。

日本が戦後政治に於いて都合の悪い事柄を先送りしてきた要因があります。戦後70年を迎えるにあたり、大きく自省し指導的未来像を提示する時期にあります。

古神道では、神に手を合わせる時には・・・
惟神ながら霊幸倍えませ「かんながら たまちはえませ」と唱えます。すべて神さまの、みこころのままに、より良くお導き下さいと言う意味です。
苦しい時やお願いのある時は唱えてみてください。

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儒教に学ぶ

2011年10月1日 土曜日

明治の隆盛期、日露戦争に勝利した海軍大将東郷平八郎氏に次のような逸話があります。

日本海々戦に勝利したのも、徳川幕府の家老小栗上野之介の創建の横須賀造船所があったからこそ、ロシアのバルチック艦隊を打ち負かす事が出来たと感謝し、小栗上野之介の指導に報恩と感謝を申し述べその折に進呈した額に「仁・義・礼・智・信」の儒教の五つの心を表す文字を贈ったと言います。

日露戦争のあった明治30年代は明治天皇と徳川15代将軍慶喜との和睦があり、日本の政府も余裕の生まれた年代であります。そして徳川家は天皇との主従の形を改めて確認して行く状態となったのです。

東郷平八郎大将の記された「仁・義・礼・智・信」の文字は孔子聖人の言葉であります。

「仁」とは(木精の道)人は二と画き、人は考える(知恵)と知ること(知識)を得る事で徳が生まれます。二とは天の道と地の道であり、天と地を知る事が仁の精神と言うことであり、実践する事で徳を生じます。

「義」とは(火精の道)羊のごとく我を穏やかに調えて、役割分担の中で柔順たれ、一途な心を持って努力することで徳が生じます。

「礼」とは(土精の道)豊かさを示す行動であり、「和・話・輪」の実践努力であり、和顔愛語・コミユニケーション・チームワークより徳が生まれてきます。

「智」とは(金精の道)太陽の慈悲なる精神、自然界の妙法や法則を知って、実生活に応用して活力を得ることで徳が生じて来ます。

「信」とは(水精の道)自らを信じ、自らを律し、自ら発動することであり、その実践により徳が生まれます。

そしてこの「仁・義・礼・智・信」の五つの道から生まれた「徳」です。

「恭」(うやうやしい)態度に慎みあること。

「寛」(おおらか)心が寛大であること。

「信」(まこと)言葉に嘘がないこと。

「敏」(さとい)物事の処理が機敏であること。

「恵」(めぐみ)めぐみ深いこと。

この五つの徳が「仁・義・礼・智・信」の実践によって会得する徳です。

そしてこの五つの道を貫く精神が「忠恕」と言うことです。忠恕の「忠」とは人に真心を尽くすと言うことであり、「恕」とは自分の心を推して人の心を察することであり、つまり忠恕とは相手の立場に立って思いやる心、あるいは相手の状態を理解する心とも言うことであります。

この東郷平八郎大将の示した儒教精神は多くの国民に感銘を与えました。また新渡戸稲造の著書「武士道」にもこの儒教精神は深く係わっています。

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