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還暦と陰陽道

2011年7月1日 金曜日

団塊世代の退職が始まり約700万人が順次退職しました。

十干の甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・葵と十二支の子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の「干支」で「甲子」「乙丑」「丙寅」・・・など60の組み合わせとなり61でまた元の「甲子」に戻ります。

野球の阪神甲子園球場はこのすべての始まりから「甲子」を球場名に取り入れています。

太陰太陽暦(旧暦)時代の年号はすべて十干・十二支で称して来た歴史であります。その要因から生誕年を干支で呼び合うこととなり、何年生まれと言う事で人の気質・気性を判断したり、運の良否を見て来た経緯があります。

数え年61歳で元の生年の干支に戻ります。その歳を「本卦」とか「本卦還り」「還暦」と呼ばれます。

還暦の祝いは近世になってから盛んに行われるようになり、また還暦と言う語も比較的に新しい言葉です。昔は「人生50年」時代であり、人間の寿命が60歳を迎える比率は少ない状態にあったからです。

今の日本人の平均寿命は男女共に世界一となり、人生は80年時代にあります。昔の還暦とは様相が一変しております。

しかし、今でも昔でも60歳と言う年齢は一つの節目である事に変わりはありません。昔の還暦は人生の終焉をまじかに控えた時期であったのですが、今は新たなる出発として還暦を考えるようになって来ております。つまり実働50年時代でもあるのです。

還暦を迎えるのは非常におめでたく一族の長老として子や孫・親族・知人などが還暦にあたるころの誕生日に集まり長寿を祝いました。

今は60歳に「定年」の年であり人生の晩年への節目となっております。

還暦には赤い(九紫火星)頭巾に赤色のちゃんちゃんこ(袖なし羽織)などが、お祝いの品として贈られております。

なぜ還暦の祝いに「赤」が好まれるのであろうかと言いますと陰陽五行思想では、赤は九紫火星であり、火と夏と南方位を表し燃え盛る活力を表現する色と考える事が出来ます。人生の終末期に入るこの還暦の歳に赤色の着衣を身に付けて古希・喜寿・米寿まで長生きすることを願ったものと思われます。

赤は非日常の色であり除災・息災を願う「ハレ」の意を表し還暦は「本厄明け」の年でもあります。ちなみに古墳内に塗られた朱色や赤色は悪霊を防ぐ色とされています。還暦の歳に赤色の着衣を身に付ける理由は様々な災難を発生させる御霊から身を守り健康に長生きをする意味や願いが込められています。

赤い色は炎の色であり、ものに頼らずとも、お金に頼らずとも、心豊かなる晩年の過ごし方、晩年の生き方を大いに挑戦して行くオンリーワンを目指す時代に入って来ているのであります。

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